「消せる紙」でタスクかんばんはじめました(2011) を当時を思い出しつつあらためて書いてみた
2011年に「消せる紙でタスクかんばんはじめました」という記事を書いて、ちょっと反響があったことがありました。
「れれろぐ」に改名した際に過去記事はすべて削除してしまったのですが、5年経った今でもなお「消せる紙 タスクかんばん」で検索するとB!KUMAで登録された私の記事がトップにでてくる状態なので、探し訪ねてきた方のために当時を思い出しつつあらためて書いてみます。
事の発端
来月からチームタスクを表出させるためにタスクかんばんをやってみない?ってメンバーに言ってみた。
— れれのーと(@rerenote) 2011年7月29日
「タスクかんばんはじめました」
— れれのーと(@rerenote) 2011年8月1日
かんばん始めた宣言をした日の23:00に「ぼっちなう」とか「アラートメール多い」とか翌日2:00頃に「タクシー」とかツイートしていて複雑な気持ちになりましたが本題から逸れるのでさておいて、そもそも「タスクかんばん」を始めた理由について、当時の私は次のように書いております。
私がリーダーを務めているチームは全員メインプロジェクトがバラバラで、チーム?という状況なのです。 そのような状況のため、プロジェクトタスク優先になりがちでチームタスクを後回しにしがちなのですよね。 うちのチームの場合「チームタスクの後回し=お互いがお互いにフォローできない」ということなので、 一応リーダーとしては「このままじゃちょいとまずい」と思って始めてみました。
当時は自分を含めて4名のチームのリーダーを務めていました。
担当するサービスの数が多く属人化がすすみかけていたこと、各メンバーが孤軍奮闘している状態だったので精神負荷が心配だったということもあり、なんとかしてメンバー同士がフォローできる体制をつくりたい、という気持ちが非常に強かったのではないかと思います(ここらへんはあまりよく覚えてないのですが、自分の傾向からこのように感じていた可能性が非常に高いです)。
それにはまず「誰が何と戦っているか」の情報を見えるようにしないと、それには「タスクかんばん」が有効だろうと思ったわけです。
メンバー全員が使ってくれないと意味がなくなってしまうため、導入前にメンバー1人1人に「タスクかんばんやってみない?」と問いかけました。1人でも渋ったら違う手を考えないとなぁと思いつつ。結果は全員から「やってみる」と回答がありました。こうなったらもうやらない理由はない。
「タスクかんばん」に必要なもの、付箋とそれを貼るスペースです。付箋を何度も剥がしたり貼ったりするので耐久性を考えるとホワイトボードが適任。 しかし、当時のオフィスには執務室内に余っているホワイトボードがなかった。 タスクかんばんがチームに合わない可能性もあるので「手軽にやめられる」ことも重視したい、かんばんのためにホワイトボードを買うことはしたくなかった。 そもそも自席近くにホワイトボードを置くスペースがなかった。
どうにかならないかと見渡したところ、マグネットは使えないけど壁はあった。 この壁を利用してできるだけお金をかけずに作れないかと考えた結果、目を付けたのが当時話題だった「消せる紙」だったわけです。
作ったかんばん
実物を見れば一目瞭然なので、まずはこの写真をどうぞ。
模造紙サイズの消せる紙をマスキングテープで壁に貼り付ける。これだけ。 マスキングテープだから壁をあまり傷めずに済みます。 レイアウト枠もマスキングテープなので、貼り直しOK(少し慎重に剥がす必要はあるけど)。レイアウト変更もどんとこい。
かんばんのレイアウトについてですが、チームに合わせたアレンジを加えています。
導入結果
当時のツイートから(誤字は修正しています)。
そういや、最初に説明してやってみただけだけど、促さなくてもみんなタスクかんばんの前に行くようになってるな…今気づいた。 いやまだ始めて3日しか経ってないんだけど。
タスクかんばんは「Doing」の欄だけちょっとアレンジして、各メンバーの欄を設けた。 チームメンバーが同じプロジェクトに属さないのでここだけアレンジしたのです。 で、やってみてまだ3日目だけど、今までと違うなと思ったのが「1つのタスクに集中すること」が自然とできるなということ。
席を立ってかんばんの前へ移動 →ToDoの中からタスクをえらぶ →Doingの自分の欄に貼る →席に戻る →選んだタスクをやる →終わったら席を立ってかんばんの前へ →Done/Waiting(レビュー待ち)/Pendingに貼る →次のタスクを選ぶ→(くりかえし)というリズムができる。
タスクをやっている途中にちょいちょい割り込みは入る。 でもメインのタスクはこれだよってかんばんが教えてくれるから、メインのタスクを見失わない。 割り込みから新たな作業が生まれたらその作業を付箋に書いてDoingに貼る。 Doing2つになる。でもどちらか1つが終わればDoingは減る。
おそらく大分アレンジした状態での導入ではあるんだが、 割り込み入りまくってDoingにいっぱい付箋が貼られていると、 あれ○○さん、何が起こってるの?って見た人が気付ける。 今まではこんなの気付けなかったんだ。
この他に、かんばんの前で短時間のスタンディングミーティングをして、全員がかんばん全体を見るタイミングを作るようにしたりしました。
最終的にはかんばんの他にA4サイズの消せる紙を追加して、このような形に進化。
後日談(当時の記事には書かれなかったこと)
タスクかんばんを導入したことで誰が何をやっているか、自分が今何に集中しているのかわかるようになったという他に、他部署の人からチームとチームメンバーが何をやっているか(そして、自分が依頼した作業の状況がどうなっているのか)わかるようになった、という感想をいただいたりしました。
導入からしばらくして、チームの仕事内容やスタイルが変わり、私のチームは自然とタスクかんばんから卒業しました。 チームに変化があったからこそ自然に卒業という流れになった、と思っています。だからやってよかった。
最後に
タスクかんばんを始めたいけどエリア確保に困っている方や、タスクかんばんのレイアウト(5年前と比べると今では探せば多く出てきますが)を見てみたい方など、何かのきっかけでこの記事にたどり着いた方に、この記事が少しでもお役に立てばよいなぁと願いつつ。 自分としても振り返りとして、たまにはこういう記事を書いてみました。